中気不足 読み方(ちゅうきふそく) 別名:脾気虚損、脾気虚
中気は、中焦つまり脾胃の気を指す。中気不足とは、すなわち脾気虚損を指す。また、脾気虚ともいう。
1.中気不足を引き起こす原因は四つある。
① 飲食による内傷で脾の健全な運化機能が傷つけられる
② 禀賦不足(虚弱体質)
③ 久病による消耗
④ 労倦過度
2.中気不足の病理変化は五つある。
① 脾の運化機能が失調する:臨床では、納食不化、口淡無味などの症状が現れる。
② 脾の昇清作用が減退する:脾の昇清作用が減退すると胃の降濁作用に影響を及ぼし、「昇清降濁」の働きが失調する。臨床では、上部では頭目眩暈、中焦では腹部の膨満感、下焦では便溏泄瀉などを呈する。
③ 気血生化の不足による全身の気血不足:臨床では、全身倦怠、短気、顔色が萎黄などを呈する。
④ 統血作用を失う:脾の統血作用が失調すると各種の出血症状が生じる。例えば、皮下出血、便血、尿血などである。
⑤ 脾気が昇挙無力となり、中気下陥となる:臨床では、胃下垂、腎下垂、子宮脱、脱肛など内臓下垂の症状、久泄などを呈する。
中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
1959年生まれ。遼寧中医薬大学卒業後、大連第三人民病院内科学中医内科で医師として勤務。1990年に日本へ来日し、日本医大丸山ワクチン・薬理教室の客員研究員を務める。その後、日本中医薬研究会の講師を経て、特定非営利活動法人「中医薬学会連合会」を設立し理事長に就任する。翌年には中国世界中薬学会聯合会常任理事も兼任。2011年に世界中医薬学会聯合会認可のもと中医学アカデミーを設立し、国際中医師の育成と中医学の普及に力を注いでいる。
来日以来、日本の教育現場で自らも講師として教壇に立ち、中成薬の使い方をはじめ、中西医結合の研究・中医基礎・中医診断学・中医中薬学・中医方剤学・中医内科学・中医臨床等の指導や、初心者への講演などを実施。累計1000人以上の生徒を指導し、500人を超える国際中医師を育成している。
2018-07-20 この用語に関連するタグ:中医臓腑
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