津液の輸布は「脾、肺、腎、肝及び三焦」の共同作用によって行われる。
脾は「脾気散精」、肺は「通暢水道」、腎は「主水」、肝は「疏泄」、三焦は「決瀆」作用がそれぞれある。
1.脾の「散精」には二つの働きがある。
①脾が津液を散布する。
②脾胃が経脈を通じて他の四臓と全身に津液を送る。
2.肺の「通暢水道」は宣発と粛降の働きを通じ、津液を全身に輸布する。
①肺の宣発作用によって津液を全身の体表へ送る。
②津液の栄養と滋潤作用が発揮された後、津液は代謝され汗となって体外に排泄される。
3.決瀆作用は津液が三焦という通路を通じて代謝されている。したがって、三焦を「決瀆の官」と言う。
4.肝の疏泄作用は主に気機の調節を通じて津液の輸布を促進する。
5.腎の主水作用は主に津液の輸布を主る。『素問・逆調論』では、この働きを津液を主るとしている。
中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
1959年生まれ。遼寧中医薬大学卒業後、大連第三人民病院内科学中医内科で医師として勤務。1990年に日本へ来日し、日本医大丸山ワクチン・薬理教室の客員研究員を務める。その後、日本中医薬研究会の講師を経て、特定非営利活動法人「中医薬学会連合会」を設立し理事長に就任する。翌年には中国世界中薬学会聯合会常任理事も兼任。2011年に世界中医薬学会聯合会認可のもと中医学アカデミーを設立し、国際中医師の育成と中医学の普及に力を注いでいる。
来日以来、日本の教育現場で自らも講師として教壇に立ち、中成薬の使い方をはじめ、中西医結合の研究・中医基礎・中医診断学・中医中薬学・中医方剤学・中医内科学・中医臨床等の指導や、初心者への講演などを実施。累計1000人以上の生徒を指導し、500人を超える国際中医師を育成している。
2018-06-13 この用語に関連するタグ:中医生理
中医学アカデミーの講座を受講してログインすると、辞書の索引が表示され、用語の検索もできるようになります。講座内容とお申し込み方法は下記のページにてご確認ください。
本辞書に収録している用語一覧
本辞書は中医学アカデミー受講者に向けた、効率良く学習するための用語辞典です。受講者はログインしてご利用ください。ログインすると辞書の索引が表示され、用語の検索もできるようになります。