内燥 読み方(ないそう) 別名:津傷化燥
内燥とは体内の津液が不足し、体の各組織器官や孔竅などへの滋養が不足することで発生する乾燥の病理状態で、津傷化燥ともいう。
内燥の原因は五つある。
1.久病による陰液の消耗
2.大汗、激しい嘔吐や下痢
3.亡血失精:亡血は大量の出血を、失精は遺精や精液の漏れた状態をいう。
4.熱邪傷陰化燥:熱邪によって内燥が生じる
5.燥邪傷陰化燥:燥邪によって内燥が生じる
内燥の病理特徴は陰虚と乾燥で、臓腑の中では肺、胃、大腸に内燥が多く発生する。また、内燥の多くは「陰虚内熱」の証候である。
臨床では、皮膚が乾燥し光沢がない、落屑、ひび割れ、舌の乾燥或いは光紅で亀裂が入る、鼻や目の乾燥、爪が脆い、小便短赤などの症状が現れる。
内燥が肺、胃、大腸、腎に及んだ場合の症状は次の通りである。
肺に内燥が及ぶ:肺燥といい、内燥による症状の他、乾咳無痰、喀血などの症状が現れる。
胃に内燥が及ぶ:胃燥といい、内燥による症状の他、煩渇、嘔逆、舌光紅無苔などの症状が現れる。
大腸に内燥が及ぶ:腸燥といい、内燥による症状の他、大便燥結、便秘などの症状が現れる。
腎に内燥が及ぶ:腎燥といい、内燥による症状の他、消痩、脱毛、歯の乾燥、閉経、痿厥などの病証がみられる。
中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
1959年生まれ。遼寧中医薬大学卒業後、大連第三人民病院内科学中医内科で医師として勤務。1990年に日本へ来日し、日本医大丸山ワクチン・薬理教室の客員研究員を務める。その後、日本中医薬研究会の講師を経て、特定非営利活動法人「中医薬学会連合会」を設立し理事長に就任する。翌年には中国世界中薬学会聯合会常任理事も兼任。2011年に世界中医薬学会聯合会認可のもと中医学アカデミーを設立し、国際中医師の育成と中医学の普及に力を注いでいる。
来日以来、日本の教育現場で自らも講師として教壇に立ち、中成薬の使い方をはじめ、中西医結合の研究・中医基礎・中医診断学・中医中薬学・中医方剤学・中医内科学・中医臨床等の指導や、初心者への講演などを実施。累計1000人以上の生徒を指導し、500人を超える国際中医師を育成している。
2018-07-20
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