膀胱の功能失調とは膀胱気化作用の失調という病理状態を指す。膀胱の主な機能は貯尿と排尿で、貯尿と排尿は、腎と膀胱の気化作用によって行われるので膀胱の機能失調は気化作用の失調によるものである。
膀胱気化作用の失調の原因は腎の陽気不足と邪実である。
膀胱の気化作用が失調する病理反応は二つある。
1.膀胱の気化不利:膀胱の気化不利を引き起こす原因は主に邪実であり、邪実は主に湿熱下注である。臨床では、頻尿、尿急、排尿痛、尿の混濁、尿有余瀝、尿閉などを呈する。
2.膀胱の気化無権:膀胱の気化無権を引き起こす原因は、主に「腎失封蔵、気失固摂」である。臨床では、遺尿、尿の失禁などを呈する。《素問・宣明五気論》では、膀胱の気化不利となれば排尿できなくなり、膀胱が尿を制御しなくなると遺尿になると述べている。
中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
1959年生まれ。遼寧中医薬大学卒業後、大連第三人民病院内科学中医内科で医師として勤務。1990年に日本へ来日し、日本医大丸山ワクチン・薬理教室の客員研究員を務める。その後、日本中医薬研究会の講師を経て、特定非営利活動法人「中医薬学会連合会」を設立し理事長に就任する。翌年には中国世界中薬学会聯合会常任理事も兼任。2011年に世界中医薬学会聯合会認可のもと中医学アカデミーを設立し、国際中医師の育成と中医学の普及に力を注いでいる。
来日以来、日本の教育現場で自らも講師として教壇に立ち、中成薬の使い方をはじめ、中西医結合の研究・中医基礎・中医診断学・中医中薬学・中医方剤学・中医内科学・中医臨床等の指導や、初心者への講演などを実施。累計1000人以上の生徒を指導し、500人を超える国際中医師を育成している。
2018-07-20 この用語に関連するタグ:臓腑病機
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