損其偏盛 読み方(そんきへんせい) 別名:損其有余
「損其偏盛」は、陰又は陽のどちらかが偏盛した病理状態に用いる治療原則である。「損其有余」ともいう。損其偏盛は、陰又は陽のいずれかが余り、症状が発生した場合に用いる。陰又は陽の偏盛を調整する際には、相手方の陰又は陽が偏衰していないかどうか注意を払い、偏衰が有る場合は、扶陽や益陰の併用を考慮しなければならない。 適用病証は陰盛と陽盛がある。 ・陽盛の場合 :陽熱が旺盛な実熱証であり、「熱者寒之」の治法で陽熱を瀉す。 ・陰盛の場合 :陰寒内盛の実寒証であり、「寒者熱之」の治法で陰寒を温め散ずる。 ところが、「陰勝則陽病、陽勝則陰病」の病理に発展した場合には「補其不足」の治療方法を加える必要がある。 ・陰勝則陽病の場合 :陰盛陽虚であり、「損其有余」と共に陽の偏衰を補う必要がある。 ・陽勝則陰病の場合 :陽盛陰虚であり、「損其有余」と共に陰の偏衰を補う必要がある。
中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
1959年生まれ。遼寧中医薬大学卒業後、大連第三人民病院内科学中医内科で医師として勤務。1990年に日本へ来日し、日本医大丸山ワクチン・薬理教室の客員研究員を務める。その後、日本中医薬研究会の講師を経て、特定非営利活動法人「中医薬学会連合会」を設立し理事長に就任する。翌年には中国世界中薬学会聯合会常任理事も兼任。2011年に世界中医薬学会聯合会認可のもと中医学アカデミーを設立し、国際中医師の育成と中医学の普及に力を注いでいる。
来日以来、日本の教育現場で自らも講師として教壇に立ち、中成薬の使い方をはじめ、中西医結合の研究・中医基礎・中医診断学・中医中薬学・中医方剤学・中医内科学・中医臨床等の指導や、初心者への講演などを実施。累計1000人以上の生徒を指導し、500人を超える国際中医師を育成している。
2019-10-28 この用語に関連するタグ:中医治則
中医学アカデミーの講座を受講してログインすると、辞書の索引が表示され、用語の検索もできるようになります。講座内容とお申し込み方法は下記のページにてご確認ください。
本辞書に収録している用語一覧
本辞書は中医学アカデミー受講者に向けた、効率良く学習するための用語辞典です。受講者はログインしてご利用ください。ログインすると辞書の索引が表示され、用語の検索もできるようになります。