血虚とは血液不足による滋養作用の低下という病理状態を指す。
血虚の原因は主に四つある。①失血が多く、血の生成が間に合わない。②脾胃の虚弱によって水穀精微を血液に化生する機能が弱い。③飲食の不節制による化生の源の不足。④久病による慢性的な血の消耗(営血暗耗)などが原因となって発生する。
臓腑や経絡の組織器官は、血によって滋養される。血虚の病理特徴は主に血液の濡養の不足である。血虚になると全身や局部が滋養されず機能が徐々に衰退し、「虚弱症状」が現れる。臨床症状では、面色不華、唇・舌・爪の色が白っぽい、頭目眩暈、心悸、怔忡、神疲乏力、消痩、手足麻木、関節の屈伸不利、両目乾渋、視物昏花、などが現れる。
失血過多(あるいは慢性出血)、臓腑の虚損、精血を化生させる機能の減退や障害等の原因により生ずる。臨床上では、一般に心血虚、肝血虚、心脾両虚等の証型に分ける。
中医学アカデミー代表・世界中医薬連合会常任理事・中医師
1959年生まれ。遼寧中医薬大学卒業後、大連第三人民病院内科学中医内科で医師として勤務。1990年に日本へ来日し、日本医大丸山ワクチン・薬理教室の客員研究員を務める。その後、日本中医薬研究会の講師を経て、特定非営利活動法人「中医薬学会連合会」を設立し理事長に就任する。翌年には中国世界中薬学会聯合会常任理事も兼任。2011年に世界中医薬学会聯合会認可のもと中医学アカデミーを設立し、国際中医師の育成と中医学の普及に力を注いでいる。
来日以来、日本の教育現場で自らも講師として教壇に立ち、中成薬の使い方をはじめ、中西医結合の研究・中医基礎・中医診断学・中医中薬学・中医方剤学・中医内科学・中医臨床等の指導や、初心者への講演などを実施。累計1000人以上の生徒を指導し、500人を超える国際中医師を育成している。
2018-07-20 この用語に関連するタグ:気血津液
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